ご祝儀袋は結婚式での贈り物として欠かせないものですが、
初めて使う人や正しい書き方に自信がない人にとってはハードルが高く感じられますよね。
しかし、表書きと中袋の正しい書き方やご祝儀の包み方といった基本的なマナーを押さえれば、安心してご祝儀を贈ることができますよ。
準備しておくと安心なアイテムもあわせてご紹介しますので、この記事を読んで足りないものがないか確認してくださいね。
結婚式当日に向けてしっかり準備を整えておきましょう。
ご祝儀袋の基本構造と書き方のポイント
まずは書き始める前に、濃い墨色の筆ペンを準備しましょう。
薄い墨色は涙で薄くなってしまったという意味から弔事の際に使用するため、ご祝儀袋に使用してはいけません。
インクがかすれる、インクが薄くなっているといった場合も、失礼にあたります。
ボールペンは日常で使う事務用品であり、マナーとしては不適切とされているので使用を避けましょう。
もし筆ペンで書くのがどうしても難しい方は、サインペンであれば構いませんが、
職場の上司や目上の方の結婚式では筆ペンが望ましいため、
自分の名前だけでも丁寧に書けるようにしておくと、必要な時に安心して対応できます。
ご祝儀袋のデザインについて
ご祝儀袋には水引のついた「外包み」と「中袋」がセットになっています。
「水引」とは、ご祝儀袋の中央に付けられている飾り紐のことです。
お祝い事のときには赤白・金銀・赤金など華やかなものが選ばれます。
実は、ご祝儀袋で使われる水引は結び切りとあわじ結びの2種類あります。
それぞれの結び方の意味を知っておきましょう。
結び切り・真結び
結び目がほどけにくいことから「一度きり、繰り返さない」という意味が込められています。結婚式を繰り返すことは新郎新婦にとって良くない未来に繋がってしまうので、このような水引が使われます。
鮑結び(あわじ結び)
お祝い事である慶事、お悔やみ事である弔事のどちらでも使うことができる水引です。
結び目の部分がアワビを表すことが名前の由来となっています。
両端を引っ張るとさらに強く結ばれることから、お祝い事に関しては「末永く付き合う」という意味を持ちます。
外包みの右上についている紅白や黄色のデザインは「熨斗(のし)」と呼ばれ、お祝い事のときだけ使われます。
購入したご祝儀袋が正しいものか心配になったら、熨斗があるかどうかをチェックしてみてくださいね。
表書きに記入する名前と金額の書き方
表書きとは外包みのおもて面、水引を挟んだ上下にそれぞれ記入することです。
短冊がついている商品も多く販売されています。
書き上げたあと、外れないように裏面を軽くのり付けしておくといいでしょう。
2、3枚セットになっていれば練習用や書き直し用として活用できます。
では、それぞれどのように書いていけばいいのか確認していきましょう。
水引の上側
ご祝儀袋では、一般的に「寿」や「御結婚御祝」といった名目を書きます。
4文字は「死(し)」を連想させて縁起が悪いとされているため、
「祝御結婚」などと書くのは避けてください。
お祝いの名目は、水引にかぶらないようバランスよく書きます。
あらかじめ印刷されているものを選ぶと、書く手間がかかりません。
また、「Happy Wedding」といった親しみを感じさせる名目のご祝儀袋も販売されています。
新郎新婦と比較的親しい関係なら、こうした少しくだけた名目のものを選ぶのも楽しいですね。
水引の下側
贈り主である自分の名前をフルネームで、上側に記載した名目よりも小さくなるように書きましょう。
水引に重ならないよう、書く位置に注意して全体のバランスが取れるよう文字の大きさを調整することが大切です。
連名で贈る場合はいくつかの注意点がありますので以下を参考にしてください。
夫婦連名の場合
夫の氏名を右側に、妻の氏名を左に書きます。
中心を基準にしてバランスの良い配置を考えましょう。
名字をひとつにし、妻は名だけを書いても問題ありません。
中袋に書くときも同じ並び方で大丈夫です。
友人や同僚との連名の場合
地位や年齢に差がないときは、右から五十音順に書きましょう。
職場の上下関係などがある場合は、右がもっとも地位や年齢が高い人、その左に次に地位や年齢が高い人の順で書きます。
中央から個人名を書いていくとバランスを整えやすいです。
中袋の書き方も同様です。
中袋の書き方と気をつけるべきマナー
中袋(中包み)にはお金を包んで贈りますが、基本的には外包みから出して管理をするので、
おもて面に包んだ金額を、裏面に自分の名前と住所を書いておきます。
おもて面の書き方
おもて面に書く金額は「金参萬円」のように旧字体で書くのがマナーです。
漢数字の「三」は「五」と書き換えることもできるので、数字の改ざんを防ぐために使われるようになりました。
<よく使う大字一覧>
金額 | 旧字体 |
1万円 | 壱萬円 |
2万円 | 弐萬円 |
3万円 | 参萬円 |
5万円 | 伍萬円 |
6万円 | 六萬円 |
7万円 | 七萬円 |
8万円 | 八萬円 |
10万円 | 拾萬円 |
※「4」と「9」はあまり好ましくない数字のため省略。
裏面の書き方
左下に縦書きで名前と住所を書きます。
住所は郵便番号から記載し、名前を少し大きく書いておくと心配りが行き届いた印象となります。
住所などの文字数の関係で中央より右側にはみ出しても大丈夫です。
お金の包み方
紙幣の向きはおもて面から見て、正面の上側に肖像画がくるようにそろえます。
あらかじめ参列すると分かっている結婚式なので、お祝いの意思を伝えるために新札を使用するのがマナーです。
早めに銀行で交換しておきましょう。
縦書き・横書きのルール
中袋には、あらかじめ書く欄が印刷されているものが販売されています。
その場合は欄に沿って記入しましょう。
「中袋の書き方と気をつけるべきマナー」と形式が違う場合もありますので、いくつかのパターンをご紹介します。
裏面に金額を書く欄がある場合
おもて面に金額は不要です。裏面にある金額欄の右側に名前と住所を記載しましょう。
もし、金額欄が横書きの場合は、旧字体でも算用数字でも問題ありません。
住所欄の指定がなければ金額の上部に名前と住所を記載しましょう。
おもて面に名前と住所を書く欄がある場合
裏面に名前と住所を書く必要はありません。
代わりに金額を書く欄があるパターンが多いので、裏表が逆になったという認識で大丈夫です。
基本的にどのパターンでも、裏面は左下に記載内容を書くと覚えておくと迷いません。
ご祝儀袋の準備で失敗しないためのコツ
ご祝儀袋を贈るときのポイントは以下の4つです。
- 使用する筆記用具
- 表書きの書き方
- 中袋の書き方
- お金の包み方
この4つを抑えれば、失礼なくご祝儀を贈ることができます。
あとは新札と、ご祝儀袋を包む袱紗(ふくさ)を準備しておいてください。
できれば、筆ペンを使った練習をしておくと書き損じが減らせますよ。
苦手な方は、代筆を頼んだりスマホのアプリを使って書く方法などもありますのでチェックしてみてくださいね。
最後に、結婚式当日のご祝儀袋の渡し方を合わせてご紹介します。
受付に着いたら、バッグから袱紗ごと取り出し、袱紗を右側から開いてご祝儀袋を取り出してください。
袱紗を閉じた後、受付の人から名前が読めるよう向きを変え、両手を添えて渡します。
このとき「本日はおめでとうございます」などとひと言添えると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
慣れないと緊張するかもしれませんが、冠婚葬祭にはマナーが付きものです。
回数を重ねるうちに身についていくので安心してくださいね。