結婚式のご祝儀を包む際、ご祝儀袋の表書きや中袋の書き方は、結婚式のマナーとして把握しておきたい大切なポイントです。
今回は、基本的なルールや注意点をしっかり理解しておきたい方のために、ご祝儀袋の表書きと中袋の基本、中袋に記載する金額と名前の書き方、ご祝儀袋の選び方から包み方までをご紹介します。
ご祝儀袋の表書きと中袋の書き方の基本
結婚式用のご祝儀袋には、表書きの水引の上に「寿」や「御結婚御祝」といったお祝いの言葉を書きます。毛筆や筆ペンを使い、濃い黒の墨やインクで丁寧に記入しましょう。印刷済みのものもあるため、筆字が苦手な方でも安心です。
水引は「結び切り」や「あわじ結び」など、ほどけない形を選びます。結婚式というフォーマルな場面では、ボールペンや万年筆よりも筆ペンや毛筆を使うのが望ましいですが、ボールペンでも問題ありません。
中袋に記載する金額と名前の正しい書き方
中袋の「金額欄がない場合」の対応とマナー
ご祝儀袋に付属する中袋の中には、あらかじめ「金額記入欄」が印刷されていないものもあります。このような場合は、自分で適切な位置に金額を記入する必要があります。
書く場所は、中袋の表面の中央。金額は旧字体の漢数字(例:金参萬円)を使って、丁寧に記載します。文字の大きさや位置に迷ったときは、袋の中央やや上寄りにバランスよく配置するのが一般的です。
また、裏面に記載する氏名や住所も、印刷のないタイプでは自筆で追記します。筆記具は毛筆や筆ペンが理想ですが、にじまない黒のサインペンでも問題ありません。きちんと読める文字で丁寧に仕上げることが、もっとも大切なポイントです。
中袋には、金額を旧字体の漢数字(壱、弐、参、伍、拾、阡、萬 など)で書きます。例えば「30,000円」は「金参萬円」と記入するのが一般的です。略字では改ざんのリスクがあるため、旧字体を使うと安心です。
名前は中袋の裏面左下にフルネームで書きます。住所や郵便番号を記載する場合もありますが、結婚式では、新郎新婦や親族が整理しやすいように住所を併記すると親切です。中袋が小さい場合は、氏名のみでも問題ありません。
記入例
項目 | 記載場所 | 記載内容 |
金額 | 中袋表面の中央 | 旧字体の漢数字(例:金参萬円) |
氏名 | 中袋裏面の左下 | フルネーム(必要に応じて住所) |
※地域の習慣によって異なる場合があるため、親族や式場のルールも確認しましょう。
ご祝儀袋の注意点とマナー
ご祝儀袋は、結婚式の格式にふさわしいデザインを選ぶことが大切です。華やかさよりも、水引の種類や全体の上品さを重視しましょう。淡い色合いや、上質な和紙を使用したシンプルなデザインが適しています。
また、結婚式用には「結び切り」の水引を選びます。「蝶結び」は何度も結び直せるため、出産祝いや一般のお祝い向けであり、結婚式には不適切です。袋を選ぶ際は、水引やのしの品質、紙の厚みもチェックしましょう。
ご祝儀袋に、さりげない一言を添えたメッセージカードを同封する方も増えています。形式ばらずにお祝いの気持ちを伝えられるため、新郎新婦にも喜ばれる心遣いです。
メッセージはご祝儀袋の中に直接入れるのではなく、中袋と一緒に封入するか、袱紗(ふくさ)に挟むのが一般的です。
定番の文例としては、
- 「末永くお幸せに」
- 「おふたりの新しい門出を、心からお祝い申し上げます」
- 「素敵な家庭を築かれますように」
などがあり、丁寧な言葉で簡潔にまとめるのがコツです。あくまで主役はご祝儀袋なので、控えめなデザインのカードを選ぶとより好印象です。
ご祝儀袋中袋で避けるべき書き方と例
金額の書き方の注意点
- 旧字体の漢数字を使用する。
- 「三」を「参」と書くなど、改ざんされにくい表記を意識する。
名前の書き方の注意点
- 楷書体で丁寧に書く。
- 文字を崩しすぎず、読みやすさを優先する。
- インクがにじみすぎたり、かすれすぎたりしないよう注意する。
中袋が付いていないタイプの対処法
最近では、簡易なご祝儀袋として中袋が付いていない一体型タイプの商品も流通しています。とくにカジュアルなパーティー形式の結婚式や、急な参列時などに用いられることがあります。
中袋がない場合でも、外袋の裏面に必要な情報(氏名・金額・住所)を記入することで、マナー上の問題はありません。
項目 | 書く場所 | 書き方の例 |
金額 | 外袋裏面中央 | 金参萬円(旧字体) |
氏名 | 外袋裏面左下 | フルネームを楷書で |
住所 | 氏名の下など | 必須ではないが親切 |
ただし、格式の高い挙式や披露宴では、中袋付きの正式なご祝儀袋を選ぶのが無難です。ご祝儀袋の形式は、会場の雰囲気や新郎新婦との関係性に合わせて選ぶことを心がけましょう。
ご祝儀袋の包み方と渡し方のマナー
ご祝儀袋を包む際は、次の2点に注意しましょう。
- 中袋に現金を入れ、表書きの向きと揃えて外袋に入れる。
- 水引の上下を間違えないようにする。
渡す際は、挙式や披露宴の受付で「本日はおめでとうございます」と一言添えて両手で差し出し、相手が受け取るのを確認してから手を離すと丁寧な印象になります。
親族や新郎新婦に直接渡す場合は、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが一般的です。袱紗の色は、紫や赤系の落ち着いた色を選びましょう。渡すことに慣れていない方は、事前に練習しておくと安心です。
地域ごとのしきたり・金額の相場もチェック
ご祝儀の金額は、地域の慣習や親族内のルールによって異なる場合があります。とくに関東と関西では金額相場に差が見られることも。
地域 | 一般的な相場(友人) | 備考 |
関東 | 3万円 | 奇数(縁起が良い数字)が好まれる |
関西 | 3万円〜5万円 | 「割れない数字」として5万円が好まれる傾向も |
東北・北陸 | 2万〜3万円 | 「2万円も可」な地域あり(新札×2枚+千円札2枚で対応) |
また、親族や上司として出席する場合は、5万円〜10万円程度が目安になることもあります。迷った際には、過去の相場感を知る親族に相談するのがおすすめです。
ヴィラ・アンジェリカ近江八幡では、地元のしきたりを踏まえたアドバイスも可能です。マナーや金額で不安がある方は、事前にスタッフにご相談いただけます。
まとめ
ご祝儀袋の表書きや中袋の書き方には、基本のマナーがあります。
- 表書きは「寿」や「御結婚御祝」と記入し、水引は「結び切り」や「あわじ結び」を選ぶ。
- 金額は旧字体の漢数字を使用し、改ざんされにくいように書く。
- 氏名は中袋の裏面左下に記入し、必要に応じて住所を添える。
- ご祝儀袋は格式に合った上品なデザインを選ぶ。
- 渡す際は袱紗に包み、両手で丁寧に手渡す
結婚式の地域やしきたりによって細かいルールが異なる場合もあるため、心配な場合は事前に確認すると安心です。基本のマナーを守り、気持ちよくお祝いの気持ちを伝えましょう。